2009年08月03日

被爆体験を引き継ぐ「当事者」学校や職場、地域の慰霊祭が続く・・・ 天風録 八葉蓮華

 原爆の日の慰霊祭の準備に手を貸して―。広島大付属福山高の同窓会から広島在住のメンバーに、今年もメールが届いた。戦後になって発足した母校。はて原爆?と初めのころ、首をひねったのを思い出す

 前身は山中高等女学校。被爆当時は広島女子高等師範学校の付属で、広島市中区にあった。それを知ったのはずいぶん後のことだ。あの日、学校近くで建物疎開作業に当たっていた1、2年生の大半が亡くなった。全体の犠牲者は400人を超え、校舎も壊滅した

 広島の建物疎開跡にある碑前では毎年、遺族や同級生らの手で慰霊祭が営まれてきた。しかし、寄る年波で案内状の発送や会場の設営も難しい。そこで流れをくむ同窓会がボランティアを買って出た。3年前から、地元町内会と一緒に慰霊祭を引き継ぐ

 今やビルの谷間になり、当時の面影は見当たらない。ただ何度か足を運ぶうちに「当事者」になってきた。何となく遠い存在だった被爆者が、より身近に感じられるようになった。福山から駆け付ける現役の高校生たちも、きっと同じに違いない

 8・6まで、広島市と近郊では学校や職場、地域の慰霊祭が続く。祈りの場に思い切って加わってみたら、どうだろう。被爆体験を引き継ぐのは、そんな一歩から始まる。

 天風録 中国新聞 2009年8月2日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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