2009年08月01日

世界的な流れ「18歳成人」どこまで自覚が生まれるだろうか・・・ 天風録 八葉蓮華

 やぐらの高さは20〜30メートル。植物のつるを足首に縛って真っ逆さまに飛び降りる。危険極まりないが、成功して初めて一人前と認められる。南太平洋に浮かぶバヌアツ共和国ペンテコスト島での成人の儀式だ。バンジージャンプの原型でもある

 日本の農村には、数えで15歳になると若衆宿に集う風習が明治期まであった。集団で寝泊まりし、兄貴分から村のおきてや夜なべ仕事を習った。民俗学者の宮本常一によれば「世間を見ておかねば」と親の側から送り出すことが多かった

 今、大人になるための関門は何だろう。マナーの悪さが毎年取り上げられる成人式では、ちと心もとない。経済的な自立でいえば入社式だろうが、非正規労働がここまで増えている。大人のなり方があいまいになる中で今回の「18歳成人」論議である

 選挙に18歳で行けるようになり、ローン契約や結婚は、親が反対してもできる。成人年齢の引き下げは世界的な流れだ。ただ、すぐには大人になりたくないという若者も多い時勢。親がかりの大学生に、どこまで自覚が生まれるだろうか

 世間の波間に放り込んで自立を促すような明治風の親は、まれだ。子離れしたくない親もいる。危ないジャンプは無理としても、若衆宿の現代版のようなものがもしあったなら…。

 天風録 中国新聞 2009年7月31日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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