小さな芯に、調合した薬剤をまぶしては乾かしてつくる「星」。それを何十、何百と用意し、最後に大きい玉の中に仕込んでいく。「1ミリの手先の狂いが上空では何メートルものゆがみになる」とベテラン職人が言う。緻密(ちみつ)な世界だ
暗闇の空をバックに、次々に広がっては、散っていく大輪の花。人々はその色や形の美しさをめで、残像に酔う。今や世界トップとされる日本の技。あすは広島市をはじめ各地で大会が開かれ、いよいよ本格的なシーズンに入る
この夏、各党から打ち上げられるのは「マニフェスト」である。訳せば政権公約。さまざまな政策を調合して描くこの国の将来図といえる。それぞれの色があり、形があろう。国民の胸にくっきりとした像を刻むのは、どのマニフェストだろうか
「鍵屋」と「玉屋」がしのぎを削ったように、ライバルが競い合えば、中身にも磨きがかかるはずだ。「花火待つ人の影濃き橋の上」(吉野秀子)。近づく総選挙を前に、橋の上の人になった気分である。
天風録 中国新聞 2009年7月24日
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