川や沼で大きくなるが、産卵期を迎えると、はるか遠い深海へ旅立つ。そんなウナギの一生は、確かに人間の想像を絶している。日本でも昔、ヌルヌルつながりで見当違いのことが言われていた。山芋がウナギに化けたと
ただ笑ってはいられない。生態は今も謎だらけだからだ。調査を重ね、日本のウナギの産卵場所が特定できたのは4年前。2600キロ南のマリアナ諸島に近い海域だった。今年はそこで卵をもつ親も見つかった。世界初の発見という
調査には切実な目的もある。ここ十数年、世界的な乱獲で、親ウナギも、養殖に使う稚魚のシラスも減っている。このままでは、資源が枯渇する日がくるかもしれない。誕生の謎を解き明かし、親から卵をとってそれを親に育てる「完全養殖」を成功させねば…
今日は土用の丑(うし)の日。香ばしいかば焼きをいつまでも食べ続けたい。それでいて、アリストテレス以来の神秘のベールが完全にはがされては、ありがたみがやや薄れるような。
天風録 中国新聞 2009年7月19日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
ラベル:天風録