2009年07月16日

世界を泡立てようとするガリバーと、しぼんでいく小さな泡と・・・ 天風録 八葉蓮華

 食品業界1、2位ながら随分カラーが違う。キリンとサントリー。片や旧財閥の流れをくみ「品質本位」や「堅実経営」を通してきた。片や非上場の同族会社で、時代をつかむ広告でイメージを売る

 伝統と流行。重みと軽やかさ。違いはそうも言い換えられようか。夏のビール類商戦を見ても、キリンは「のどごし」の直球で押し、サントリーは「金麦」の変化球を投げる

 経営統合に向けての順調な交際ぶりがすっぱ抜かれた。「交渉の初期段階だが具体的に決定した事実はありません」。キリンのホームページはまじめな対応。サントリーはとみると、なぜかだんまり。CM上手も、わがことになると口が重い?

 2社の売上高は計3兆8千億円と米コカ・コーラをしのぐ。縮む国内市場に閉じこもらず、海外に打って出るという。世界企業としての体力を付けるのが両社のもくろみらしい。とはいえ、キャラが違いすぎる―と縁談の行方を危ぶむ見方もあるようだ

 一方、規制緩和から生まれ、地域おこしの期待もかかっていた地ビール業界。今や曲がり角に来ている。「三次ベッケンビール」が今週から休業に入った。世界を泡立てようとするガリバーと、しぼんでいく小さな泡と。梅雨明け間近に届く二つのニュースを、ほろ苦く聞く。

 天風録 中国新聞 2009年7月15日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。