2009年07月07日

ドビン「ガイド犬」飼い主に取り残され、商店街に寝そべる日々・・・ 天風録 八葉蓮華

 銅像になった犬といえば「ハチ公」だろう。飼い主が急死した後も、夕方になるとこれまで通り、渋谷駅に迎えに現れた。そのけなげな姿に、やがて周りの人も餌をやったりするようになる。駅通いは、死ぬまで10年続いたという

 石像になる犬もいる。尾道市の商店街で暮らす「ドビン」。10年前に飼い主の引っ越しで取り残され、誰ともなしに世話を始める。観光客と坂道を上る姿が、ちょうど案内しているように見えた。「ガイド犬」という名がつき、メディアで何度も紹介される

 店にとっては看板になる「名物犬」。あちこちでおやつをもらい、かわいがられる。ただ親切が過ぎて太ったのと、人間なら100歳という高齢。今はガイドを引退して商店街に寝そべる日々だ

 ハチ公の像は1934年に建った。満州事変の3年後。「忠誠」を尽くす姿がたたえられたのは戦前の空気を映していたからだろう。ではドビンは…。飼い主がいなくなった犬を育てるご近所のきずなと優しさ。今の時代が求めている物語かもしれない

 元気なうちにとの願いもあるのだろう。石像は8月末にお目見えする。ハチ公は米国でも映画化され、近く日本公開される。尾道といえば映画のまち。ドビンを主役にカメラを回す監督が、いつか現れるかもしれない。

 天風録 中国新聞 2009年7月6日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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