3本の川が曲がりながら合流する地形で、慣れないと迷いやすい。名物は視界が利かないような深い霧。そんな三次市で「妖怪のまち」をPRする展示やスタンプラリーが始まった。最大の強みは、地元を舞台にした妖怪物語「稲生(いのう)物怪録(もののけろく)」があることだ
約250年前のことで、主人公は16歳の稲生平太郎。比熊山ろくにあった家で7月初め、巨大な手に襲われた。その後も怪奇現象が続くが屈せず、1カ月後には妖怪が降参するとの粗筋だ。平太郎は実在の武士だったことも、妙に説得力を増す
独自の奇想天外な物語は江戸時代に全国へ広まった。今も現代語訳や漫画などの出版が続く。妖怪パワーでまちおこしをとの運動も今年で10年。ただ全国の愛好者に比べ、地元の妖怪熱の広がりはいまひとつとの声も
映画「もののけ姫」のモデルは中国山地のタタラ製鉄場とされる。上流の薄暗い森の下に埋もれた生業の記憶にも思いをはせてみてはどうだろうか。水木さんの三次評という「日本の妖怪の古里」に一歩近づくかもしれない。
天風録 中国新聞 2009年7月5日
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