「瀬戸内海の水が入れ替わるのに50年かかる」。これもそうだろうなあ、と思わせる話。教科書にも載るほどの定説になっていた。それをうそだと実証したのが呉市にある瀬戸内海の大型水理模型だ。答えは「1年半」。それなら水質改善できると希望が生まれた
長さ230メートルの巨大模型ができたのは、公害が深刻だった36年前。島や海底の地形を2千分の1で作製し、潮流も再現した。色のついた水を流せばどう広がるかもすぐ分かり「青い海回復」への処方せんを書く役割を果たした
ところが最近はコンピューターで代用できる。水道代など維持費もかさむ。時代の流れだろう。研究所の移転計画をきっかけに「停止」が決まる。最後の一般公開となった先週末、模型の上を歩いた
大久野島はもちろん、地図では実感できない全体像が分かる。デジタルとは違うアナログの良さだろう。民間企業の倉庫に使われるというからもったいない話。瀬戸内海を知る教材として「第二の人生」はないだろうか。
天風録 中国新聞 2009年6月30日
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