2009年07月31日

10年後に日本でワールドカップ「ラグビー」ルールを知らない・・・ 天風録 八葉蓮華

「ラグビーフリーク」。吉永小百合さんは自らをそう呼ぶ。初めて見たのは中学時代というから筋金入りだ。母校早稲田の応援はスタンドで大声を出す。試合が終われば敵味方なくたたえ合う「ノーサイド精神」にも魅力を感じている

 15人で楕円(だえん)のボールをつなぐ競技。どこにどう転ぶか分からない。まるで人生のような面白さ。熱中する人は意外なところにもいる。ただ日本ではメジャーとは言い難い。ルールを知らない人も多かろう

 一昔前、ラグビー場に行くのがおしゃれだった。イケメン選手がスター並みの人気だったり、高校ラグビーがドラマになったり。ところがサッカーに押されて今はすっかり下火。高校に部はあっても15人が集まらず、連合チームも珍しくない

 再びブームがわき起こるかどうか。10年後に日本でワールドカップが開かれることになった。伝わって110年になるが、野球のように大衆化せず、人気も実力も本場欧州などに歯が立たない。関係者の「起爆剤に」との念願が実った

 働く人たちがなかなかスクラムを組めず「勝ち組」と「負け組」に固定化されようとしている。ホイッスルが鳴ったらすべてリセットし、相手を気遣い、次への挑戦にエールを送る。そんな「ノーサイドの社会」を思い描いてみたくなる。

 天風録 中国新聞 2009年7月30日
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2009年07月30日

辻風「竜巻」巨大な積乱雲がわき立ち、上昇気流が生まれる・・・ 天風録 八葉蓮華

 見渡す限りの草原が広がる米国カンザス州。一人の女の子が突風で不思議な国に飛ばされ冒険が始まる。日本でも人気の物語「オズの魔法使い」である。主人公のドロシーを家ごと巻き上げたのは、米国では年千個近く目撃される竜巻だった

 関東平野の群馬県館林市をおととい、竜巻が数キロにわたって駆け抜けた。民家の屋根を吹き飛ばし、駐車場に並んだ車を転がせた。けが人も出た。先週は美作市で車を100メートルも飛ばした風に驚いたばかりである

 鴨長明が恐ろしい「辻風」を「方丈記」に書いたのは800年前。本場米国ほどではないが、日本でも昔から起きていたようだ。最近は、どうも規模が大きくなっている気がする。3年前には宮崎県で3人、北海道では9人も亡くなった

 巨大な積乱雲がわき立ち、上昇気流が生まれる。それが何かのきっかけで渦を巻き始め、竜巻になるという。地上付近に生じるのはある種の空白。ちょうど強力な掃除機のようにさまざまなものを吸い込み、持ち上げるらしい

 ドロシーの家は壊れずに済んだが、現実はこうはいかない。急激に巻き上げられたものは、最後には地上にたたきつけられる。そういえば米国発のマネーの竜巻もそうだった。気象にしても経済にしても、気流は緩やかな方がいい。

 天風録 中国新聞 2009年7月29日
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2009年07月29日

無駄な道路「コストに見合う効果」政治の力の原点を考えさせる・・・ 天風録 八葉蓮華

 住民が立ち上がればここまでできるのか。トンネルの暗がりの中で感嘆した。新潟県の旧山古志村(長岡市)から魚沼市へ抜ける「中山隧道(ずいどう)」。戦争を挟んで16年もの間、村人がつるはしを振るって貫通させた。875メートル。手掘りでは国内最長のトンネルだ

 冬は4メートルの雪。かつて妊婦や病人は背負われて峠を越えるしかなかった。思い余った末に村人は「掘ろう」と決断した。今はその隣に国道291号「中山トンネル」が走る。陳情を受けた地元選出の田中角栄元首相の後押しで開通し、11年になる

 「命綱」の役割は、狭い隧道から2車線の広いトンネルにバトンタッチされた。もう少々の吹雪でも大丈夫。現地に立って二つのトンネルを見ると、人々の切実感と安心感が同時に伝わる

 無駄な道路をつくるな、という世論が強まっている。国が「コストに見合う効果」を検討し、全国18の直轄国道事業を一時凍結したのもそのため。ところがほとんどが継続されることになった。住民の側に切羽詰まった求めがあったのかどうか

 切実な要望に応え、「立ち上がろうとする人」に力を貸すのが、本来の政治の役目だろう。元首相の手法は利益誘導として指弾されたが、悲願をかなえた地域もある。隧道は、政治の力の原点を考えさせる。

 天風録 中国新聞 2009年7月28日
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2009年07月28日

さまざまな職種の「ディア・ドクター」ずれを感じてゆれる・・・ 天風録 八葉蓮華

 村でセンセイはただ一人。診療所の患者をさばき、時間が空いたら往診に。村の人たちから頼りにされ、慕われていた。ところが突然いなくなり、調べてみると偽医者と分かって…。上映中の「ディア・ドクター」である

 監督は広島市出身の西川美和さん。前作の「ゆれる」は国内の賞を総なめするほどだった。ところが本人は、評判が広がるほどに居心地の悪さを感じていたという。「世間が、偽者の私にだまされているような気がして」

 自分はとても、言われるような「大器」とは思えない。買いかぶられている。ずれを感じてゆれる心。そこから浮かんだのが「偽者」をテーマにする次の映画のアイデアだった

 センセイと呼ばれる職業がある。医師がそうだし、教師もその代表格。資格をとれば、新米でも一人前に扱われる。ただそれだけに自分の未熟さに何度も冷や汗をかき、そこから「本物」になろうとするエネルギーも生まれるのだろう

 頼りにされた映画の偽医者と比べるのも詮(せん)ないが、資格がありながらそれに値しないようなセンセイもいる。教え子へのわいせつ行為など考えられないような教師の事件が、広島県で相次いでいる。私は世間をだましていないか…。さまざまな職種のセンセイに、西川監督の自問を届けたい。

 天風録 中国新聞 2009年7月27日
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2009年07月27日

絶滅危惧「メダカ」泥棒 夜陰に紛れて入り込み、ごっそり盗まれた・・・ 天風録 八葉蓮華

 ペットショップをのぞいたら、メダカがたくさん入荷していた。子どもたちが夏休みの自由研究にでもするのかと思うと、大人の間でも人気を呼んでいるそうだ。かわいい上に値段も手ごろ。初心者でも飼いやすい

 先ごろ、目を疑うようなニュースが本紙広島市民版で報じられた。南区の下水処理施設で起きたメダカ泥棒だ。水質を確かめるために飼っていた約1万匹。一般公開を始めて2カ月たたないうちに、ごっそり盗まれた。残ったのは千匹にも満たないという

 まだ犯人は捕まっていないが、どうやら夜陰に紛れて入り込み、一網打尽にしたようだ。全国的にもメダカの盗難は相次いでいる。ブームに乗じて、ひともうけを企てたのか。それにしても浅ましすぎる

 もともと田んぼや小川にいるメダカ。市中で広く飼われるようになったのは江戸時代とされる。幕末に編まれた魚の図鑑「梅園魚譜」にも精密な写生画がある。金魚売りが一緒に売り歩いた。「金魚のべべがほしいと目高の子」(『誹風柳多留』)。安価なメダカは庶民の心を和ます友だった

 それが、今や1匹が数千円で売り買いされる新種メダカも登場。一方で野生のメダカは絶滅危惧(きぐ)種に指定され、保護する動きも高まっている。「たかがメダカ」と侮ってはおれない。

 天風録 中国新聞 2009年7月26日
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2009年07月26日

山椒魚「まなびの館ローズコム」明るく自由な空間から・・・ 天風録 八葉蓮華

 岩屋にこもっているうち、体が大きくなって出られなくなった。しまった、と歯がみをし、外を泳ぐ小魚に悪態をつく。小説「山椒魚(さんしょううお)」だ。作者の井伏鱒二が1912年に入学したのが福山中学(現誠之館高)である

 寄宿舎のすみに「畳一枚分ほどの浅い池」があった。井伏は田んぼからカエルを捕ってくるなどサンショウウオを相手に遊んでいたという。当時の寄宿舎は軍隊式の閉鎖空間。少年はここで心をしばし癒やしていたのだろう

 ほぼ1世紀を経て、福山中跡地は「まなびの館ローズコム」と名前を変え、図書館などの学習施設になっている。畳ほどの池はないが、広い親水空間が人々を憩わせる。開館からちょうど1年の夏休み。開放的な雰囲気もあって大にぎわいである

 山椒魚は岩屋の中で、群れから逃れられない小魚を見る。「何という不自由千万な奴らであろう」。小さな窓からのぞいてこそ多くのものが見られる、とも。枠の中でもがきつつも、諦念(ていねん)に至る山椒魚。軍事色が漂い始めた時代に身を置く作家自身の姿だったかもしれない

 さまざまな本があり、開放感あふれる図書館にいて「山椒魚」の背景に思いをはせてみる。不自由が生んだ思索がある。明るく自由な空間からは、また別の表現が生まれるのだろう。

 天風録 中国新聞 2009年7月25日
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2009年07月25日

花火「マニフェスト」ライバルが競い合えば、中身にも磨きがかかる・・・ 天風録 八葉蓮華

 江戸の街に、練った火薬をアシの茎に詰めて売り出す商人が現れた。線香花火に毛の生えたようなものだったが、人気を呼ぶ。その後も工夫を重ね、ついには打ち上げ用の大型を完成させた。「鍵屋」である。ここから日本の花火文化は始まった

 小さな芯に、調合した薬剤をまぶしては乾かしてつくる「星」。それを何十、何百と用意し、最後に大きい玉の中に仕込んでいく。「1ミリの手先の狂いが上空では何メートルものゆがみになる」とベテラン職人が言う。緻密(ちみつ)な世界だ

 暗闇の空をバックに、次々に広がっては、散っていく大輪の花。人々はその色や形の美しさをめで、残像に酔う。今や世界トップとされる日本の技。あすは広島市をはじめ各地で大会が開かれ、いよいよ本格的なシーズンに入る

 この夏、各党から打ち上げられるのは「マニフェスト」である。訳せば政権公約。さまざまな政策を調合して描くこの国の将来図といえる。それぞれの色があり、形があろう。国民の胸にくっきりとした像を刻むのは、どのマニフェストだろうか

 「鍵屋」と「玉屋」がしのぎを削ったように、ライバルが競い合えば、中身にも磨きがかかるはずだ。「花火待つ人の影濃き橋の上」(吉野秀子)。近づく総選挙を前に、橋の上の人になった気分である。

 天風録 中国新聞 2009年7月24日
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2009年07月24日

太陽がにわかに欠けて「部分日食」少し薄暗くなったくらい・・・ 天風録 八葉蓮華

 遮光板ごしの太陽は、ほっそりした三日月形だった。きのうの昼前、広島市内でも部分日食が見られた。86%が欠けても、辺りは少し薄暗くなったくらい。太陽の実力はたいしたもんだと、妙に感心した

 南の国や洋上からは、皆既日食の映像が届いた。白昼から一気に暗闇へ。やがて天空のダイヤモンドリングの端が輝きを増す。光の世界が戻ると歓声がわいた。普段はあって当たり前。隠れることで、その存在が劇的に際立つ

 日食が予測できなかったころの人々にとっては、一種の天変地異だった。神とあがめる太陽がにわかに欠けて暗くなれば、恐れおののいただろう。そして日輪の復活は再生のドラマだ。天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸に隠れて現れる日本神話の場面は、日食を表すともいわれる

 記録的な豪雨が山口県内を襲い、多くのシ者、行方不明者が出た。土砂で埋まった老人ホームから運び出される車いす、あおむけに埋まった車…。痛々しい光景に言葉を失う。かなたで起きる日食を秒単位で予測する現代科学だが、足元の豪雨は見通せない

 平穏な生活も、あって当たり前と思いがちだ。失われて初めて、あの時こうすればと後悔の念にかられる。人知を超えることもある自然の営み。恐れを抱くことから、日ごろの備えを見直したい。

 天風録 中国新聞 2009年7月23日
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2009年07月23日

天下分け目の決戦まで40日、世論の風は気まぐれ・・・ 天風録 八葉蓮華

 出陣を控えた武士の前に立つ総大将。げきを飛ばすのが普通だが、今回の自民党は様子が違った。解散目前のきのうの両院議員懇談会。麻生太郎首相がまず発したのは「党内をまとめきれなかった」という異例のおわびだった

 それだけではない。猛暑の8月の総選挙は明治以来107年ぶり。7月の解散は史上初めてという。投開票まで40日も間が空くのは、今の憲法下では最長となる。1週間前の「予告」も含め、異例ずくめの衆院解散といえそうだ

 「党の先頭に立って命がけで戦う」。そう解散会見で気勢を上げたが、立候補予定者から応援のお呼びがかからない麻生氏。ツーショットのポスターでも影が薄い。これほどそっぽを向かれた大将も例が少ない

 この春以降の地方選では負け続き。東京都議選では過去最低の議席に沈んだ。支持率も低迷が続く。直近の世論調査では、比例代表の投票先で民主党に倍以上の差をつけられた。与党が「勝てる」と踏んだ時に断行するのが解散。吹き飛ばされそうな逆風下で、というのも例がなかろう

 政権交代が現実味を帯びて語られている。しかし世論の風は気まぐれだ。どう向きが変わるかもしれない。天下分け目の決戦まで40日。まだどんな「異例」が待ち構えているか分からない。

 天風録 中国新聞 2009年7月22日
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2009年07月22日

日本の実験棟「きぼう」国際協力と平和のシンボルでもある宇宙ステーション・・・ 天風録 八葉蓮華

 荒涼とした地面を、宇宙飛行士がぴょんぴょん跳びはねる。背中には生命維持装置の大きな箱。38万キロのかなたから送られてくる中継に、かたずをのんでテレビに見入ったのを思い出す

 アポロ11号の月面着陸からあすで40年。米航空宇宙局(NASA)のイベントも盛りだくさんだ。打ち上げから帰還までの交信を「再放送」したり、月に残る着陸船の一部を撮影して公開したり…。米ソが宇宙開発にしのぎを削る中、国家の威信をかけた人類初の偉業だった

 月からの中継を見て、夢を膨らませた5歳の男の子がいる。国際宇宙ステーションに滞在中の若田光一さん。小学1年のころ、テストの裏にアポロで月や太陽の周りを飛行する絵を描いたという

 その若田さんはきのう、スペースシャトルで運んだ最後の装置を取り付け、日本の実験棟「きぼう」を完成させた。こちらは計画から24年がかり。船内の七夕飾りに託した願いも「きぼう完成」だった。重責を果たし、ほっとしたことだろう

 今や5カ国から13人が集い、国際協力と平和のシンボルでもある宇宙ステーション。ブログや映像を見たり、リアルタイムで交信したりもできるようになった。宇宙で活躍する姿に胸高鳴らせる子どももいるだろう。第二、第三の若田さんが生まれるかもしれない。

 天風録 中国新聞 2009年7月20日
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2009年07月20日

卵をもつウナギ「土用の丑の日」生態は今も謎だらけ・・・ 天風録 八葉蓮華

 解剖しても卵や生殖器が見つからない。このヌルヌルした生き物は一体どこから生まれてくるのか。古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、ウナギを調べて首をひねった。困った末なのか、同じように泥の中にいるミミズから生まれたと結論づけた

 川や沼で大きくなるが、産卵期を迎えると、はるか遠い深海へ旅立つ。そんなウナギの一生は、確かに人間の想像を絶している。日本でも昔、ヌルヌルつながりで見当違いのことが言われていた。山芋がウナギに化けたと

 ただ笑ってはいられない。生態は今も謎だらけだからだ。調査を重ね、日本のウナギの産卵場所が特定できたのは4年前。2600キロ南のマリアナ諸島に近い海域だった。今年はそこで卵をもつ親も見つかった。世界初の発見という

 調査には切実な目的もある。ここ十数年、世界的な乱獲で、親ウナギも、養殖に使う稚魚のシラスも減っている。このままでは、資源が枯渇する日がくるかもしれない。誕生の謎を解き明かし、親から卵をとってそれを親に育てる「完全養殖」を成功させねば…

 今日は土用の丑(うし)の日。香ばしいかば焼きをいつまでも食べ続けたい。それでいて、アリストテレス以来の神秘のベールが完全にはがされては、ありがたみがやや薄れるような。

 天風録 中国新聞 2009年7月19日
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2009年07月19日

懇談会「副振動」さまざまな大波が生まれ、広がっていくうねり・・・ 天風録 八葉蓮華

 津波でもないのに、海面がせり上がる。漁船をひっくり返し、橋や車を流し、住宅の床下に迫る。「ゴォーという音がして、滝のようだった」と萩市の住民が話している。日本海沿岸で起きた「副振動」だ

 気圧の急変や強い風によって、外洋に長波が生まれる。それが海上を伝わっていくうち、水深や地形の影響を受けて思わぬ高さになり、陸に押し寄せる。まだはっきりとは解明されていないメカニズムに一筋縄ではいかない自然の姿をみる

 都議選に完敗した後、総選挙の日どりを早々と決めた麻生太郎首相。自民党内に起きたのが気圧の急変だ。「顔を取り換えなければ選挙にならない」と真っ向から退陣を求めるグループ。「敗北の総括の場を設けなければ」という一団

 さまざまな大波が生まれ、広がっていくうねり。直前に起きた「東国原騒動」の余波と合わせて、党内の水位は思わぬ高さになっている。一方で、防波堤になるはずの閣僚がうねりの側についたり、選挙の責任者が辞めると言ったり

 首相は総括の場として、両院議員の「懇談会」を開くという。あえて批判の矢を浴びることで水圧を下げ、解散に踏み切る心積もりらしい。それで潮目が変わり、国民の不信の水位も下がるかどうか。ゴォーという音が聞こえてきそうだ。

 天風録 中国新聞 2009年7月18日
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2009年07月18日

「被爆者の一人として」核の脅威なき世界平和に向かう一歩に・・・ 天風録 八葉蓮華

 広島市の平和記念公園を挟むようにして、2本の橋が架かる。日系米国人の彫刻家イサム・ノグチの手による平和大橋と西平和大橋だ。「これがデザインなんだ。すごい」。被爆から7年後に現れた新景に、少年の心は奪われた

 後に世界的な服飾デザイナーとなった三宅一生さんだ。そり返った「東」の橋柱の先端には、生命を表す太陽。「西」の欄干は、魂を運ぶ舟の手すりがかたどられていた。東洋と西洋の境を越えたノグチのデザインは、少年の行く道を決定づける

 三宅さんがオバマ米大統領に、8・6の広島訪問を呼びかける手紙を送ったという。米紙に載った文面の結びに、あの橋が出てくる。「歩いて渡るとき、それは象徴的な一歩となる。核の脅威なき世界平和に向かう一歩に」

 これまで三宅さんは、閃光(せんこう)を見た自身の体験については口ごもりがちだった。「被爆デザイナー」といったレッテルを嫌ったからという。古希を過ぎた身に沈黙を破らせたのは、核兵器のない世界をめざすという大統領のプラハ演説だった

 手紙はこうも書く。「被爆者の一人として発言すべき道義的責任」を深く感じたと。落とした側の「責任」発言が、胸の底にあった思いを呼び覚ましたのだろう。対話や和解という橋は両側から架けた方がいい。

 天風録 中国新聞 2009年7月17日
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2009年07月17日

カレンダー代わり「金曜の昼はカレー」朝からカレー?・・・ 天風録 八葉蓮華

 海上自衛隊には、食事のおきてがある。「金曜の昼はカレー」。長ければ数カ月に及ぶ海での単調な生活。1週間の感覚を忘れないための工夫という。旧海軍時代からの伝統だ

 といって単なるカレンダー代わりではつまらない。艦や部隊ごとに「秘伝」のレシピを競うようになる。コーヒーや福神漬けの汁…。こだわりの隠し味を、ホテルのシェフが聞きに来たこともあるという

 かつて兵士によって全国に広まったカレーだが、国民食になったのは戦後。即席ルーが商品化され、普通に食べられるようになった。それでも何となく「おきて」はあった。家族そろってふうふう言いながら食べるのは夜。外で食べるのは昼、と

 ところが最近「朝カレー」が広がっているという。イチロー選手が家を出る前にほおばる姿が紹介されたのがきっかけらしい。メーカーは朝用に少量のレトルト製品を売り出した。受験生に人気という。スパイスが脳を活性化するのでは、との期待もありそうだ

 以前の日本の朝食の定番といえば、ご飯にみそ汁。「朝からカレー?」とのけぞる人もいよう。ただ「汁プラス白飯」の組み合わせとみると、案外伝統的かもしれない。猛暑の予感。朝を抜いていた人がカレーで元気になるのなら、それに越したことはないか。

 天風録 中国新聞 2009年7月16日
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2009年07月16日

世界を泡立てようとするガリバーと、しぼんでいく小さな泡と・・・ 天風録 八葉蓮華

 食品業界1、2位ながら随分カラーが違う。キリンとサントリー。片や旧財閥の流れをくみ「品質本位」や「堅実経営」を通してきた。片や非上場の同族会社で、時代をつかむ広告でイメージを売る

 伝統と流行。重みと軽やかさ。違いはそうも言い換えられようか。夏のビール類商戦を見ても、キリンは「のどごし」の直球で押し、サントリーは「金麦」の変化球を投げる

 経営統合に向けての順調な交際ぶりがすっぱ抜かれた。「交渉の初期段階だが具体的に決定した事実はありません」。キリンのホームページはまじめな対応。サントリーはとみると、なぜかだんまり。CM上手も、わがことになると口が重い?

 2社の売上高は計3兆8千億円と米コカ・コーラをしのぐ。縮む国内市場に閉じこもらず、海外に打って出るという。世界企業としての体力を付けるのが両社のもくろみらしい。とはいえ、キャラが違いすぎる―と縁談の行方を危ぶむ見方もあるようだ

 一方、規制緩和から生まれ、地域おこしの期待もかかっていた地ビール業界。今や曲がり角に来ている。「三次ベッケンビール」が今週から休業に入った。世界を泡立てようとするガリバーと、しぼんでいく小さな泡と。梅雨明け間近に届く二つのニュースを、ほろ苦く聞く。

 天風録 中国新聞 2009年7月15日
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2009年07月15日

解散ネーミングから、そのときどきの政治情勢が浮かび上がってくる・・・ 天風録 八葉蓮華

 衆院の解散には、特徴をうまく言い当てたネーミングがつきものだ。戦後行われた解散は22回。呼び名から、そのときどきの政治情勢や首相の腹積もりが浮かび上がってくる

 歴代の内閣で唯一、4回も断行したのが麻生太郎首相の祖父である吉田茂元首相だ。野党の内閣不信任案を利用しての「なれ合い解散」に続き、始まったばかりの通常国会でいきなり「抜き打ち」を仕掛ける。極め付きは、自らの暴言に端を発した「バカヤロー」

 片や「しかるべきときに私が判断する」と、ずるずる解散を先延ばしにしてきた麻生首相。都議選の惨敗から一夜明けたきのう、来週中に踏み切ることをやっと決めた。とはいえ任期切れまで2カ月足らず。これでは「名ばかり解散」か

 実は、きょうにも解散を、とのもくろみだったとされる。しかし今やったら大敗する、と与党内からすさまじい抵抗に遭う。「麻生降ろし」の火の手を恐れての「後ずさり解散」といえるかもしれない

 吉田元首相は、強引に5回目の解散をしようとしたが、結局降ろされて、神奈川県大磯に身を引いた。就任1年にも満たない孫があくまでこだわった「退陣しないぞ解散」。しかしその日まで1週間余り。事態の急変も考えれば、ネーミング論議はまだちょっと早すぎるか…。

 天風録 中国新聞 2009年7月14日
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2009年07月14日

人が裁けば誤りもある「ビデオ判定」監督が燃えれば選手も燃える・・・ 天風録 八葉蓮華

 45連勝中の横綱大鵬に挑むのは新鋭戸田。速攻の押しに対し、横綱は捨て身の突き落とし。軍配は腰から落ちた大鵬に上がるが、物言いがつく。審判団の協議結果は「差し違え」。ところがテレビは先に土俵を割る戸田の足を映していた

 この「世紀の誤審」をきっかけにビデオ判定が導入され40年になる。当初、「機械の方を信用するのか」と審判から不満も出た。しかし、人間誰にも間違いはある。それを「科学の目」で補う判定はすっかり定着した感じだ

 プロ野球はまだ導入していない。試合の流れを止めてしまっては、妙味も失われるからだ。だが観客の顔も映るデジタル時代に、微妙な判定への「物言い」は増すばかり。セ・リーグは来月から、流れに影響のない本塁打の判定に限り試行することにした

 反対の声もある。人が裁けば誤りもあるが、そこに味もあるからだ。まして塁上のクロスプレーやストライク判定にまでビデオ判定が拡大されたら、どうなるだろうか。鬼の形相でベンチから飛び出す監督に、退場を命ずる審判。それも野球の華には違いない

 判定に抗議して、ベースまで投げてしまう広島カープのブラウン監督。退場時の成績は6勝1敗だ。監督が燃えれば選手も燃える。そんな人間同士のドラマもある。

 天風録 中国新聞 2009年7月13日
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2009年07月13日

温暖化の危機、過去の罪「命のゆりかご」温暖化の危機、将来への責任・・・ 天風録 八葉蓮華

 北原白秋の詩についたゆったりとしたメロディー。♪揺籃(ゆりかご)のうたをカナリヤが歌うよ―。皇后さまが歌われたというカナダからのニュースに、子育て時代を思い出して「ゆ〜りかごの」と口ずさんだ人もいるだろう

 思い出には苦味も交じるものだ。しんどくて手抜きをしたが、もっとああしておけばよかった、こうしておけば…。私は果たして、この子のちゃんとしたゆりかごになっていただろうか。親がひそかに抱くじくじたる思いでもある

 銀河系ただ一つの生命の星、地球。これからもずっと「命のゆりかご」たり得るのか心もとなくなっている。温暖化の危機を知らせるのはカナリアならぬ北極グマ。ところがサミットでは「二酸化炭素減らしに新興国も努力を」「いや先進国の方が先」と話がまとまらなかった

 ギャンブルに金を使い放題だった夫が「これからは始末するから」と謝った。しかし妻は「反省が足りん。私もしっかり使うからね」。こんな家庭を見るようだ。これでは子どもは安心してゆりかごに眠れない

 平均温度を上げ続けた「過去の罪」は先進国が償うべきだろう。しかし「将来への責任」は新興国も負っている。♪揺籃のつなを木ねずみが揺するよ―。双方が手をとって、そっと綱を揺らすような仕組みができないか。

 天風録 中国新聞 2009年7月12日
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2009年07月12日

通念や理論「アテハメ主義」現場のデータや情報に語らせよ・・・ 天風録 八葉蓮華

 頭の中にありながら、もやもやしているもの。それは文字や図にしてみることで明確になる。例えば最近話題の「マインドマップ」。1枚の紙の中心にテーマを据え、連想する言葉を連ねていく。根を八方に広げた木の形になり、頭が整理できるという

 ヨーロッパ生まれの手法だけではない。日本発といえば「KJ法」。こちらは小さいカードを使う。設定されたテーマをめぐり、思いつく限りの事柄を何十枚も書き出す。その次には似たカードを小グループに分けて見出しを付ける

 見出し同士を統合していくうち、思わぬ「答え」にたどり着くのが妙味。内外にブームを起こし、新人研修の合宿でも盛り上がった記憶がある。この考案者が、亡くなった文化人類学者の川喜田二郎さんだ

 「アテハメ主義」を嫌っていた。学者はつい、通念や理論の枠の中に現実を押し込めようとしがち。それは本末転倒だと。「現場のデータや情報に語らせよ」という主張と、1枚のカードから始める手法は同じ根のようだ

 世界にもさまざまな通念がはびこっている。「核兵器は戦争を抑止する」とか「少数民族は独立できない」とか。人々がカードに思いのたけを書きKJ法でまとめたら、出てきた答えにハッと我に返るような指導者が現れたら…と夢想をしてみる。

 天風録 中国新聞 2009年7月11日
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2009年07月11日

大きな夢をかなえた後、心の中の残り火、新たな「満足」を求め・・・ 天風録 八葉蓮華

 大きな夢をかなえた後、心の中の残り火を再び燃え上がらせる。そんな力は、どこからわいてくるのだろうか。今夏、13年ぶりにウィンブルドンのテニスコートに立ったクルム伊達公子選手(38)の善戦を見て、不思議に思った

 自分なりに満足できるプレーをやってきた、と突然引退したのは全盛期の1996年。ところが昨年春、現役に復帰した。もう一度、自分の力を試してみたい。長いブランクはあったが、動きだした心にストップはかけられなかった

 四半世紀にわたる宇宙飛行士という仕事に区切りをつけた土井隆雄さん(54)も、新たな道に挑む。国連の宇宙応用課長への転身を、公募でつかんだ。宇宙開発の技術を世界に広める重責を担う

 いつもの訓練服ではなく、スーツ姿で臨んだ「引退」会見。「飛行士としての目的や夢はすべて果たした」。満足感いっぱいの顔で言い切っていた。完全燃焼できたからこそ、次への意欲が出てきたのかもしれない

 日本人で初めて宇宙空間に出て活動したのが印象に残る。軌道から外れた衛星を手でつかみ回収に成功したとき、心が震えたことだろう。伊達さんも、かつて世界ランク4位にまで上り詰めた。それでもなお、新たな「満足」を求めチャレンジする姿に、勇気づけられる。

 天風録 中国新聞 2009年7月10日
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