2009年06月11日

人々の心を揺さぶる「音」母が見いだし、本人が開花させた個性・・・ 天風録 八葉蓮華

 話し声や木々のそよぎ、電車の音まで。それが楽譜になって聞こえる。音に対して驚くほど敏感な人たちがいることが、最相葉月著「絶対音感」で紹介されている

 音楽の世界で仕事をするには大きな強みである。一方でBGMが2曲同時に聞こえると顔がゆがむほど苦しかったり、電話の着信音に耐えられなかったりするとも。日常の生活では、けっこう不都合もありそうだ

 わが子が音に敏感過ぎたら、親は大変だろう。その子は、洗濯機を回すと火がついたように泣きわめき、外出先のちょっとした音にも泣きだした。しかも生まれた時から目が見えない。母は日記に「つらい」「死にたい」とつづった

 米バン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行さん(20)だ。母いつ子さん(49)は、前向きになれたのは一つの発見があったから、と書いている。生後8カ月、ある演奏家のピアノ曲CDをかけると、にこにこ手足を動かし、別の人のでは不機嫌に。この子の耳は聞き分けるんだ…

 さらに背中を押されたのは、ある盲人の言葉だった。「見えない世界に生きる人には、その世界観がある。臆(おく)せずに個性を伸ばしなさい」。母が見いだし、本人が開花させた個性。見えないからこそ紡げる音が、人々の心を揺さぶるのだろう。

 天風録 中国新聞 2009年6月10日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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