幕下でわずかな手当しかなかった10年ほど前。後に妻となる女性が、ビーズの指輪をしているのを見て思った。「自分で作って誕生プレゼントにしよう」。もともとプラモデルが趣味だったし、何より金がかからない
気は優しくて力持ち。そんな言葉を連想させる人である。土俵では大量の塩を高くまいてファンにサービスし、花道では気さくにハイタッチに応じる。ただ優しさが裏目に出てか、本番で力が出せないこともある。番付の上がり下がりが激しく、ここ2場所は幕下に沈んでいた
来場所から、7度目の十両への返り咲きが決まった。37歳6カ月での復帰は、戦後で2番目の年長記録だ。冬は必ず春になる、と言って励ましてくれた妻や子どものおかげで、踏ん張れたという
「ビーズの穴に糸を通すのと、立ち合いの集中力は同じ」と北桜関。塩まきパフォーマンスとともに、星の数でファンにどこまで応えられるか。北限の桜のようなしぶとさで、もうひと花、ふた花を。
天風録 中国新聞 2009年6月3日
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