2009年06月04日

気は優しくて力持ち、冬は必ず春になる・・・ 天風録 八葉蓮華

 小さいガラス玉を、一つ一つ針ですくう。ビーズ細工は、手先が器用で集中力が続く人でないと、うまくいかない。その世界ではよく知られ、専門誌でも紹介される作者が、身長190センチ、体重164キロというから驚く。広島市安佐北区出身の北桜関だ

 幕下でわずかな手当しかなかった10年ほど前。後に妻となる女性が、ビーズの指輪をしているのを見て思った。「自分で作って誕生プレゼントにしよう」。もともとプラモデルが趣味だったし、何より金がかからない

 気は優しくて力持ち。そんな言葉を連想させる人である。土俵では大量の塩を高くまいてファンにサービスし、花道では気さくにハイタッチに応じる。ただ優しさが裏目に出てか、本番で力が出せないこともある。番付の上がり下がりが激しく、ここ2場所は幕下に沈んでいた

 来場所から、7度目の十両への返り咲きが決まった。37歳6カ月での復帰は、戦後で2番目の年長記録だ。冬は必ず春になる、と言って励ましてくれた妻や子どものおかげで、踏ん張れたという

 「ビーズの穴に糸を通すのと、立ち合いの集中力は同じ」と北桜関。塩まきパフォーマンスとともに、星の数でファンにどこまで応えられるか。北限の桜のようなしぶとさで、もうひと花、ふた花を。

 天風録 中国新聞 2009年6月3日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 22:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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