2009年06月01日

縦書きの風情を壊さないように、と念じながらの試行錯誤・・・ 天風録 八葉蓮華

 「一」もあり。「1」もあり。自在なところが日本語だ。しかし二系統の数字は、たたずまいも、においも違う。「2人で3時間」と書けばアルバイトの時給計算のようだし、喫茶店で話が弾むカップルなら「二人で三時間」と書きたいところ

 なんとなくだが、使い分けのルールがあるようだ。ビジネス文書など横書きには洋数字。伝統的な縦書きの世界なら漢数字に。小説はその代表で、村上春樹さんの最新作も「1Q84」というタイトルとうらはらに、本文はきっちりと漢数字になっている

 明治時代に創刊した本紙も、ずっと「縦書きで漢数字」を通してきた。しかし次第に数字がポイントという記事が増えてくる。読みやすさを考えて、最初はスポーツ面で洋数字を基本とし、あすからは経済面などすべての紙面に広げていく

 「二千三百四十五億円」より「2345億円」の方が目に飛び込みやすかろう。字数も減る。ただ数字が目立ち過ぎて事務文書のようなイメージになっては、との心配がなくもない

 もちろん「七五三」とか「五里霧中」とか昔ながらの言葉や表現はそのまま。しかし「三人組」や「二十日」などは悩ましい。自在な日本語を縛り過ぎてもよさが失われよう。縦書きの風情を壊さないように、と念じながらの試行錯誤である。

 天風録 中国新聞 2009年5月31日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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