2009年05月23日

裁判員に期待されているのは「市民感覚」生活風景もぴりぴりしてくる・・・ 天風録 八葉蓮華

 壇上には、紋付きはかまやモーニング姿の十二人がかしこまった。威風堂々たる正装である。今から八十一年前の広島地裁。民間人が審理に加わる「陪審員裁判」が、初めて開かれた

 酒に酔って日本刀でいとこに切りつけたという事件。しかし陪審員の表情は硬く、当時の本紙は「木彫りの人形のよう」と書いている。質問を促されても、顔を見合わせて黙り込んだという。よほど緊張したのだろう

 大正デモクラシーのうねりから生まれた。一定額以上の男子納税者、との制限はあったが、画期的な制度。なじんでくるうちに、当初のようなこちこち状態もほぐれてくる。評議にも熱が入り、放火犯とされた青年を激論の末に無罪とした例もあったという

 裁判員制度が始まった。一般にはまだ関心は高くない。関連本コーナーを設けた書店でも、思ったほどは売れていないそうだ。しかし候補に選ばれた人は、こちこちとまではいかなくても、ぴりぴりしているだろう

 裁判員に期待されているのは「市民感覚」という。とすれば「威厳」は求められないのだろうか。それなら服装はTシャツにジーパンでも? ただ場の雰囲気や、判決を言い渡される被告の気持ちを考えたら…。七月にも予想される第一号の法廷風景がちょっと気になる。

 天風録 中国新聞 2009年5月22日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 22:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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