2009年05月17日

ばらの町「福山城」接ぎ木の土台は生命力の強い日本産のノイバラ・・・ 天風録 八葉蓮華

 マリリン・モンローやイングリッド・バーグマンがいればモナリザも。バラほど多くの名前がついている花も珍しい。有名俳優から地名までその数はざっと五万とか。品種名と花の姿を見比べるのも、バラ園巡りの楽しみの一つだ

 ばらの町・福山には「鞆の浦」や「芦田川」といったご当地品種がある。ただ、もう一つのシンボル、福山城にちなんだものはなかった。色や姿が派手なバラは、洋風の建物にマッチする。お城という和の景観にはなじまないのでは、と思われていたからだろうか

 そんな心配をぬぐい去るような新しい品種が、今年デビューする。その名も「福山城」。紫がかった淡いピンクの大輪で、花びらが剣先を連想させるようにとがっている。控えめでありながら、そこはかとなく漂う気品。石垣が美しい名城の傍らに置いてもよく似合いそうだ

 園芸種のバラは西洋生まれだが、それを支えるのは、生命力の強い日本産のノイバラだ。十九世紀に欧米人が持ち帰り、接ぎ木の土台に活用した。ノイバラは今も芦田川の河岸に自生している。福山に城ができたころ、周りの湿地でも素朴な白い花が見られただろう

 新しいバラは、きょうからの「福山ばら祭」で披露される。和と洋が交わるストーリーにも思いをはせてみたい。

 天風録 中国新聞 2009年5月16日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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