三年前に代表になってから「変わろう」とする努力は、ありありと見えた。無愛想でこわもて、剛腕、壊し屋―というイメージを変えるために、記者団には丁寧な受け答えをし、時にぎこちない笑顔を浮かべる。痛々しくもあった
そこまでするのは、宿願の政権交代を実現するため。麻生太郎首相の不人気もあって、この春には、もう少しで手が届きそうなところまできていた。そこに西松献金事件。「何だ、体質は自民党時代と変わっていないじゃないか」と、世論に見放されてしまった
目指したのは政治改革。それを実現するためのカネ集め、のつもりだっただろう。誰よりもその手法に精通している、という自信が裏目になってしまった。党内からわき起こった「代表を代わってほしい」の声。耐える力はもうなかった
「事件」後も続投したのは、党の結束を守るため。今度は同じ理由で辞めることになった。かつて在籍した自民党竹下派は「一致団結箱弁当」で知られた。ただ結束も度が過ぎると、民主党本来の持ち味がかすんでしまいかねない。
天風録 中国新聞 2009年5月12日
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