下松市出身の長岡外史は「プロペラひげ」で知られた。軍人で、スキーや飛行機を普及させた人。鼻の下にピンと伸びた「両翼」は約七十センチもあったという。それにちなんだ初のイベントだ。わが鼻の下にもささやかに生えているだけに親近感もわく
明治時代、西洋での流行もあって各界の「大物」たちはひげを蓄えた。お札の肖像を思い出す。今でこそチョビひげの野口英世だけだが、これまでは夏目漱石、板垣退助、伊藤博文ら個性的なひげの持ち主がずらりと並ぶ
政治家や役人が好んだというから、力や権威を表す面も強かったのだろう。だからこそあえて生やさなかった人もいる。早稲田大学を創設した大隈重信。「ひげは戦争の道具のようなもの」と嫌った
サミットでは山口県のIターン農家が優勝した。イラク戦争が始まり「市民が巻き込まれる悲劇を忘れない」と伸ばし始めたという。反戦と言えばヒッピーのひげもそうだった。時代の思いを映すひげ。「平和」「まちおこし」にも活用されようとは、明治の人も思いもよらなかっただろう。
天風録 中国新聞 2009年5月9日
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