同じ四十歳で「これから」というのは、元カープ投手で今は米大リーグメッツの高橋建さんである。中継ぎでの初マウンド。満塁を併殺で切り抜け、2回2/3を零点に抑えた。きょうの先発予定が流れたのは残念だが…
小児ぜんそくに苦しみ、プロ入り後も、夏には体調を崩しがちだった。健康には人一倍気を使い、その分、選手生命が伸びたのだろう。「自分の力が通用するか試したい」という夢を実現させた。ファンは「緩急自在」の左腕に期待する
四十歳を「不惑」と呼ぶ。考え方や人生観は落ち着いて、人間的にもスケールが大きくなる。そんなイメージだ。バットを置く。新たに挑戦する。いずれも迷いのない決断だったように見える
もちろん不惑の人ばかりではない。流行語大賞になった「アラフォー」。節目の年を前にして生き方に迷う女性のドラマから広がった言葉だ。孔子の時代から二千五百年。寿命もずいぶん延びた。惑いの中にいながら、建さんのピッチングに、自分を重ねる人もいるだろうか。
天風録 中国新聞 2009年5月8日
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