約二千三百年前の戦国時代、楚の重臣だった屈原。国の将来を思って強大な秦に抵抗するが、謀略で政界を追われ、失意のまま川に入水してしまう。亡きがらを守るため、住民らはササで巻いた飯を魚の餌として投げ込んだという。その命日が五月五日だった
ちまきを川に投げ入れ、国を憂えた先人を供養する祭りは中国全土に広がる。やがて日本にも伝わり端午の節句に。ちょうど夏への変わり目。急に暑くなるせいもあり病気にかかりやすい。ヨモギやショウブの葉で厄よけをし、ちまきを食べ、健康を願う風習に次第に変化したらしい
メキシコ発の新型インフルエンザが今、世界中を不安に陥れている。日本でも感染の疑いのある例は次々出るが、何とか侵入を阻んでいる。安らかな暮らしへの思いは、古今東西変わらない
この先、警戒水準が最悪にまでならないよう、世界の感染の広がりも止めたい。南半球ではこれから冬に向かう。そのうちグローバル版の「節句」も生まれるかもしれない。
▲天風録 中国新聞 2009年5月6日
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