世界保健機関は、六段階のフェーズをパンデミックの一つ手前の5に引き上げた。どこまで被害が広がっていくのか、カタカナ用語だと、より不安が増すような感じがする。なにしろ九十年前のスペイン風邪では、四千万人もの死者を出しているだけに恐怖が募る
スポーツ大会が延期になるなど影響も広がる一方だ。永田町では「解散・総選挙どころではない」との声も出始めた。折しもゴールデンウイークの最中である。人込みは避けたいが、現時点で過度に恐れる必要もないだろう
物理学者で随筆家、寺田寅彦の防災格言がある。「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい」。正しく恐れる冷静さが大切だ。予防のためには、手洗い、うがい、マスクの着用といった当たり前の対策を心掛けたい
とはいっても、街中すべてがマスク姿ではぞっとする。いつでもできるように持参して行楽地などに出かける、というのはどうだろう。「備えよ、常に」も防災格言である。
天風録 中国新聞 2009年5月2日
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